今更聞けない!光ファイバーって何?
光回線は、光ファイバーケーブルを利用したインターネット回線です。
何となく、光回線=インターネットというイメージがあるかもしれません。ですが、「光回線」という言葉は、インターネットを指す場合と光ファイバーケーブルを指す場合の、二つの意味で使われています。
今回は、後者の方、つまり光ファイバーケーブルについて解説します。
■ 光ファイバーって何?どんな仕組みでインターネットにつながるの?
光ファイバーはガラスやプラスチックなどで作られた、人の髪の毛(0.1mm)くらいの細い繊維のことです。
この光ファイバーをたくさん束ねると、光ファイバーケーブルという通信を行うためのケーブルになります。インターネット通信以外では、内視鏡のような医療器具にも使われています。
この光ファイバーケーブルはどんな仕組みで動くのでしょうか?
光ファイバーケーブルは光の信号を伝える事で機能します。ケーブルの内部を光が反射して進んでいくわけです。銅線ケーブルに比べると、信号の漏れが少なく、外部から電磁波のノイズの影響を受けにくいという特徴があります。
ですので、長距離間の大容量の通信には最適です。光回線を使ってパソコンやスマホで通信をすると高速に感じられるのはこのためです。
■ 光ファイバーケーブルによって世界はつながっている
国内外のニュースやスポーツの試合の生中継をテレビで見たことがあると思います。
また、インターネットを使って海外の動画を見たり、外国にテレビ電話をしたことがあるという方も多いでしょう。
海外と気軽に通信するなんて一昔前では考えられなかったことですが、どうやって外国とつながっているのでしょうか。
実は、海の底に沈められている、光ファイバーを使った海底ケーブルが世界をつないでいるのです。
以前は、オリンピックの生中継などは通信衛星を使った「衛星中継」が大部分を占めていました。
しかし、通信衛星では、電波が宇宙まで伝わってから地上に戻ってくるため、距離が長く通信に時間を要していました。 また、悪天候の影響で通信が不安定になる事も。
今では、海外との通信のほとんどが海底ケーブルでやりとりされています。
その方が衛星中継より速く、安定した通信をする事ができるからです。ほぼリアルタイムで中継映像を見たり、海外と通話ができるのは光ファイバーのおかげです。
■ 光回線についてもう少し詳しく知ると…
光ファイバーケーブルを使った回線のことを、光回線と言いました。
光回線を利用するためには、まず自宅に光ファイバーケーブルを引き込む必要があります。
光ファイバーが自宅近くの電線まで繋がっているかどうかは、フレッツ光などのインターネット事業者やプロバイダ(接続業者)に伝えれば調べてもらえます。
事前に回線を通すための工事(回線工事)が必要な場合もあれば、マンションなどの集合住宅ではすでに光ファイバーケーブルにつながっている場合もあります。
回線工事費は多くの場合有料ですが、工事費が無料になったり、携帯電話の回線とセットで申し込むことで割引を受けられるスマホ割などのキャンペーンなども充実しています。
上手に利用すれば、工事費が実質無料になることも少なくありません。
■ 光回線以外にどんなインターネット通信があるの?
インターネットに接続する方法は光回線だけではありません。
光回線以外でよく利用されているのは、ADSL(電話回線)とCATV(ケーブルテレビ)の2種類です。
ADSLは電話回線を使うため、すでに回線が自宅につながっている場合が多く、工事をしないで使用を開始できます。
CATVはエアコンの外気に繋がる部分などからケーブルを通し、モデムに繋げる工事を行うことでインターネットが利用できます。
また、自宅にすでにケーブルテレビを導入している場合は、そのケーブルを利用してインターネットの契約ができます。
ADSLとCATVは光回線と比較してどうなのでしょうか?
まず、ADSLの回線速度はプランによって異なりますが、最大でも光回線の半分程度で、安価で遅いプランになると100分の1になってしまいます。
一般の電話回線を使うため、光回線に比べインターネットの速度が不安定になることもあります。
特にNTTの電話局から離れている地域では、速度が低下する可能性が高いです。
ADSLは電話回線を使用するため、通話などのノイズ(雑音)の影響を受けてしまいますが、光通信は専用の回線を使うため、ノイズなどの影響を受けにくいといわれています。
一方、ケーブルテレビ局のインターネット(CATV)は、ADSLに比べ速度が速く安定しています。
CATVと光ファイバーの違いは通信速度です。プランにもよりますが、CATVは光回線の8割ほどの速度になることもあります。
ただし、遅いプランだとCATVも光回線の100分の1になることもあります。
つまり、大容量のデータをやり取りしたり、インターネットで動画を頻繁に見るなど、データの送受信量が多い方にとっては光回線の方が適しています。