今更聞けない!光回線の上がり下りってどういう意味?
光回線を選ぶのに、スペック面で気になるのが回線速度です。
インターネットの通信には「上り」と「下り」の2種類があり、回線速度も上りと下りで表されます。光回線を選ぶときに重要なのは「下り」の方ですが、これらの違いを知っておくと役に立ちます。
■ インターネット通信で「下り」は受信、「上り」は送信を意味する
下りと上りの違いを一言で表すなら、下りとはデータを受信すること、上りとはデータを送信することだと理解しておけば良いです。
下りとはデータの受信、つまりインターネットの情報をパソコンに読み込むことです。そのため、下り速度はダウンロード速度と言われることもあります。
例えば、インターネット配信されている動画を見たり、写真や音楽などのデータが添付されているメールを受信したり、ウェブサイトを閲覧したりすると、データを受信していることになります。
これらの通信は全て「下りの通信」です。
「下り」=「ダウンロード(下りの読み込み)」と分かれば理解しやすいかもしれません。
身近な例で例えるなら、荷物(テキストや動画、音声などのデータ)を受け取ることが下りの通信にあたります。 一方で、上りは下りの逆と考えればすぐに理解できるはずです。
上りの通信とは自分から情報を発信をする通信で、パソコンからインターネットを介して他の端末にデータを送ることを意味しています。
例えば、自分で撮影した動画をYoutubeに投稿したり、メールの送信、ブログへの記事のアップが挙げられます。
上りの速度とは、データを送信する速度と理解すれば良いです。
■ 光回線の下り速度と上り速度はどちらが大切? 一般ユーザーの方にとって大事なのは下り速度です
個人が一般的な用途でインターネットを使う時に大事なのは下りの速度です。 というのも、すでに説明したとおり、ウェブサイトを閲覧したり、動画を見たりというようなアクティビティーは、主にデータを受信して行われるからです。
下り速度が速ければ快適にインターネットを利用することができます。ですが、下り速度が遅いと、インターネットを使っていても「画面が変わるのが遅いな」と困ってしまうことになります。
特に、YouTubeなどの動画投稿サイトやHuluなどの映像配信サービスを利用する場合は、下り速度は一定の水準以上である必要があります。
動画を見る場合は、テキストや画像中心のウェブサイトを見るよりも受信データ量が多くなるからです。 下り速度が遅いと処理が間に合わず、再生中に動画が停止したり、何度も読み込みがかかる可能性があります。
こうなってしまうと満足に動画を見ることはできませんよね。 また、オンラインゲームを楽しみたい場合は、動画の再生以上に多くのデータが受信されますので、より速い下りの回線速度が必要となります。
■ インターネット回線では上りよりも下りの通信速度の方が速いことが多いのはなぜ?
一般的に、光回線以外のインターネット回線では下り速度の方が上り速度よりも速くなっています。これはなぜでしょうか。
実は、テキストの送信などでは大きなデータはやり取りされません。また、データ量の少ない送信では、回線を使うのは一時的です。
一方、動画をダウンロードすると大量のデータを長時間受信し、回線の利用率が大きくなります。電車に例えると、上りは単線で、下りは複線といったイメージです。
そのため、多くのインターネット回線で下り速度の方が速くなるように設計されています。
また、技術が開発された経緯にも理由があります。
ADSL(電話回線)は、VOD(ビデオ・オン・デマンド)で通信することを想定して開発されました。 VODは利用者が好きな映像を選択して視聴するサービスです。ネットカフェやアマゾン、GAOなどで映画やアニメを見るのと同じです。
上りの通信では、どの映像を見るか選んで送信するだけですので、送信するデータ量はほんの少しです。
一方、下りの通信は動画コンテンツの大容量のデータを受信することになります。そのため,上りの速度よりも下りの速度が優先されることになりました。
またADSLやCATVは上りと下りで通信ケーブルを共用しているため、回線の限られた領域を効率よく使うために「下り」に広く通信領域を設けています。
ADSLとCATVのどちらも通信量の大きい下り回線を優先したため、上り回線と比べると速度の差があります。 一方、光回線では上りも下りも基本的に通信速度は同じです。
光回線では上りと下りで別の光ファイバーを使っており、ADSLのように下りを優先させる必要がありません。 そのため、下りよりも上りの方が遅いということはないのです。
とは言え、一般のインターネットユーザーにとってあまり上りの回線速度は重要ではありません。基本的には受信の方がメインになるからです。
そのため、光回線の宣伝でも「下り最大1Gbps」というように、下り速度だけを重視されています。
■ 回線速度の単位bpsについて
例えば、1Mbpsで通信すると1秒間に日本語を約6万5千文字送ることができます。
「Mbps」はよく使われる回線速度の単位で「メガ ビー ピー エス」と読みます。bpsは1秒間に送受信可能なデータ量を表しています。
M(メガ)は100万のことですね。
MをK(キロ)やG(ギガ)で表す事もあります。例えば1Mbps=1000kbpsです。単位がKbpsの表示になるのはすごく遅い通信です。スマートフォンの速度制限がかかった時の速さを想像してください。
逆に速度が1000Mbps=1Gbps になるとものすごく速い高速通信だと思ってください。最近の光回線では「下り最大1Gbps」が標準的な回線速度です。
また、NURO光のように「下り2Gbps」というような光回線もあります。