IPアドレスって何?-グローバルIPアドレスとローカルIPアドレスの違い
インターネットを利用するのであれば、専門家でなくても知っておいた方が良い用語がいくつかあります。
その代表格がIPアドレスです。
IPアドレスは本当に基本的な用語なので、誰もが一度は聞いたことがあると思います。ですが、その意味をちゃんと理解している方はそこまで多くはないのではないでしょうか。
さらに、IPアドレスには、グローバルIPアドレスとローカルIPアドレス(プライベートIPアドレス)の二つがあります。
IPアドレスに関して、これら二つの違いと基本的な役割についてしっかりと理解できるように解説します。
■ IPアドレスって何?
一言で言えば、IPアドレスとはインターネットに接続する端末(パソコン、タブレット、スマホなど)の、インターネット上における識別番号のようなものです。
各端末に番号が割り振られることで、それぞれの端末をインターネット上で識別しています。
インターネットでは、テキストや画像、音声などのデータを端末が受信することで画面上に表示させます。このとき、データを送る送り先の情報がないと、送信されたデータを受信することはできませんよね。
また、データを要求する際も、相手の端末を識別する情報がないと要求することができません。
IPアドレスを使うことで、データの要求先や送信先となる端末の情報が分かるのです。
ちなみに、インターネット掲示板で犯罪予告をしたり、著作権違反のコンテンツを著作権違反と知りながらダウンロードすると罪に問われますが、これらの行為を行った端末を特定するのにもIPアドレスが使われています。
とにかくIPアドレスはインターネット上でそれぞれの端末を識別・特定するための番号であると理解しておきましょう。
さて、最初に触れたとおり、IPアドレスにはグローバルIPアドレスとローカルIPアドレスの二種類があります。
いずれもIPアドレスなので、ネットワーク上の端末を識別・特定するものであることは同じです。二つの違いは、「グローバル」と「ローカル」の違いにあります。
■ グローバルIPアドレスって何?
グローバルIPアドレスは、インターネットに接続している端末一台一台を識別・特定するためのものです。
グローバル(global)という英単語には、「世界規模の」とか「地球全体の」という意味があり、まさにインターネットを指すのにぴったりな言葉です。
グローバルIPアドレスには次の二つの特徴があります。
① インターネットに接続した端末一台一台に割り振られ、重複しない
② 定期的に変更される
まず一つ目ですが、グローバルIPアドレスはインターネットに接続された機器一台一台に違う番号が割り振られます。
IPアドレスの役割は端末を識別・特定することなので、複数の端末に同じ番号が割り振られると困りますよね。
別々の家が同じ電話番号を持っていたら困るのと同じことです。
なお、かつて主流だったIPv4というインターネットの接続方式では、IPアドレスが枯渇してしまうのではないかという問題がありました。
タブレットやスマホ、コピー機やゲーム機など、インターネットに接続する機器の数が増えたことで、IPアドレスが足りなくなることが懸念されたわけです。
ですが、IPv6という理論上IPアドレスを無限につくりだせる新しい接続方式が考案されたことで、この問題は解決されました。
グローバルIPアドレスの二つ目の特徴は定期的に変更されることです。
IPアドレスはネットワーク上の端末を識別するためのものであることを思い出してください。ですので、一つの端末に一つのIPアドレスが割り振られていて、重複さえしていなければ、番号自体が変わっても問題はないわけです。
実は、ひとつの端末が同じIPアドレスを使い続けると、その端末が侵入を受けやすくなるというセキュリティ上の問題が生じます。
ですので、IPアドレスが定期的に変更されることは重要なのです。
■ ローカルIPアドレスって何?
ローカルIPアドレスはプライベートIPアドレスとも呼ばれます。
一言で言うと、ローカルIPアドレスはローカルエリアネットワーク(LAN)の中で使われるIPアドレスのことです。
ローカルエリアネットワークとは、限られた狭いエリアで利用される通信ネットワークのことです。 限られた狭いエリアとは、例えば、家庭や学校、企業などですね。
ローカルIPアドレスは、そのような限定されたエリアの中で端末を識別するためのIPアドレスです。
ですので、ローカルIPアドレスは利用されるローカルエリアネットワークの中で相互に異なっていればよく、別々のローカルエリアネットワークの間では重複しても構いません。
例えば、自宅と会社という異なるローカルネットワークエリアの間であれば、IPアドレスが重複していても問題ないわけです。自宅と会社のローカルネットワークエリアにおいて通信が混じることは、通常はありませんからね。
ローカルIPアドレスもまた、グローバルIPアドレスと同じように主にセキュリティ上の理由から定期的に変更されます。
以上、グローバルIPアドレスとローカルIPアドレスについて解説しました。
■まとめ
まとめると、①それぞれインターネット上やローカルエリアネットワーク上で端末を識別するための番号であること、②同一ネットワーク内では重複しないこと、③定期的に変更されること、の三つのポイントが重要です
インターネットをよく利用するなら、この三点だけでもしっかりと理解しておきましょう。