光回線終端装置の役割は何?!ネット接続のための周辺機器解説3
光回線の契約をしようと回線事業者やプロバイダなどのホームページを見ると、ルーターやONUという言葉を目にします。ルーターは頻繁に出てきますし、役目もさまざまなホームページで解説されているので馴染みがあるでしょうが、ONUはどうでしょうか。
ルーターと違ってパソコンからプロバイダの設定など、操作をすることは全くありませんから、ほとんどの人はあまり意識しないのではないでしょうか。
しかし、ONUは、光回線を使ってインターネットに接続するとき、とても大切な役目を担っています。小さな箱ですが、とても高度なことを行っている機器です。ONUを知ると、インターネット接続のイメージがおぼろげながらでも頭に浮かんできます。そこで、ONUとはどんな機器なのか、何をしているのか、解説します。
●ONUって何をする機器?
ONUとは、「Optical Network Unit」の略称です。光回線終端装置と呼ばれます。この機器は、家庭内に設置して、光信号と電気信号を相互に変換します。
なぜこの終端装置が必要になるのか。それは、光ファイバーを流れるデジタル信号と、パソコンで使うデジタル信号が、全然違うからです。ご存じの通り、光ファイバーを流れるデジタル信号は、光の点滅です。これに対し、パソコン使われるデジタル信号は電気です。電圧が「ある」か「ない」かで、情報を記録したり送ったりします。
同じデジタル情報といっても光と電気、信号がまったく違うものに乗っかっていますから、そのままでは相互乗り入れはできません。光回線がいくら速いといっても、パソコンに光ファイバーをそのまま接続することはできないのです。
ここで登場するのがONUです。光回線を通ってきた光信号はここで電気信号に変換され、LANケーブルを通じてルーターに入り、そこからパソコンに接続されます。パソコンから送られた情報(メール文章など)は反対に、電気信号でルーター、ONUと流れ、そこで光信号に変換されてインターネットに送られるのです。
よく「モデム」とか「ONU/モデム」と表記されることもありますが、正確に言えば、モデムはアナログ信号とデジタル信号の変換器ですから、ONUとモデムはまったく別のものです。
●どこについている
ONUが設置されるのは家庭の中です。屋外から引き込まれた光ファイバーが壁から出ていれば、その近所に取り付けられるのが一般的です。光コンセントの場合は、ONUから出ている光ファイバーを光コンセントに差し込みます。そこからLANケーブルでルーターなどに接続します。
中には「ホームゲートウェイ」という名前でONUとルーターが一緒になった機器もあります。この場合、光ケーブルとLANケーブルを接続する機器はひとつになり、ONUを意識することはほとんどないと思います。
●故障をしたらどうする?
通常、ONUとルーターは、回線事業者から借りる契約が一般的です。つまり、ルーターまでは回線事業者の責任範囲。故障したら交換してもらえます。
ルーターはときどきエラーを起こすことがありますし、ルーターの周辺に物を置いて放熱が悪くなったりすると故障することもあります。でもONUの故障はまれでしょう。ONUの故障かな、と思ったらまずルーターが正常に動いているかどうか確認してから、事業者に連絡しましょう。
ONUの故障でいちばん怖いのは、雷の高圧電流が電灯線を通じて流れることです。雷のサージ電流を減らすコンセントもありますが、あまり大きな効果は期待できません。めったにないことでしょうが、天気予報で雷が落ちそうだとわかったらコンセントを抜くのがいちばんの対策だと思います。これはルーターもパソコンも一緒です。