引っ越し時に必要なインターネット関係の手続きまとめー利用を継続する場合と解約して新しい回線に変更する場合
引っ越しをすると電気やガス、水道などの光熱関係に携帯電話、クレジットカードなど、いろいろな事で住所変更の手続きが必要になります。
もちろん、インターネットに関しても住所変更の手続きは必要です。
ですが、インターネットの場合、住所変更以上の手続きが必要になることもあります。場合によっては、引っ越し前に利用していた光回線が引っ越し先では使えず、契約解除と新規契約が必要になることも。
解約が必要な場合、違約金が発生することがあったりと、何かと大変です。また、新しい光回線を選んで契約まで行うのもひと手間ですね。
インターネット関係の引っ越し手続きは、契約しているインターネット回線や契約プランによって異なります。各ケースごとの手続きについて分かりやすくまとめました。
■ 引っ越し時のインターネットの手続き―固定回線の場合
インターネット回線には大きく分けて、固定回線とモバイルWi-fiがあります。
固定回線は自宅やオフィスにインターネット回線を引き込み、有線でインターネットに接続するタイプです。現在では、光回線と呼ばれる光ファイバーケーブルを利用した回線が主流です(他に、電話回線を使ったADSLというタイプもあります)。
まずは、固定回線の場合の引っ越し手続きについて見てみましょう。
固定回線の場合、①引っ越し先でも同じ回線の利用を続ける、②現在使っている回線を解約し、引っ越し先では新しい回線を契約する、の二つのケースが考えられます。
① 引っ越し先でも同じ回線の利用を続ける
引っ越し先でも同じ固定回線を使い続けるのが、手続きの点で最もラクです。 ただし、引っ越し先でも現在使っている回線が利用できることが前提条件となります。
というのも、固定回線は自宅にインターネット回線を引き込むため、現住居と引っ越し先では回線を設置するための条件が異なる場合、引っ越し先では同じ回線を利用できない可能性もあるからです。
特に問題が起きやすいのがアパートやマンションなどの集合住宅。
集合住宅では建物全体で一つのインターネット回線を契約していることが多く、他の回線を単独で契約することができない場合があります。
また、光回線の中には提供エリアが限られているものもあり、引っ越し先が対応エリア外となっている場合も継続利用はできません。
引っ越し後も同じ固定回線を使いたい場合は、まずは引っ越し先で継続利用できるか確認する必要があります。これは、契約している業者にメールまたは電話で問い合わせればよいでしょう。
引っ越し先でも同じインターネット回線を使えるのであれば、あとは引っ越し手続きをすれば継続して利用できます。
具体的には、①住所変更の手続き、②引っ越しに伴う回線工事の二つの手続きです。
先に書いたとおり、固定回線は自宅にインターネット回線を引き込みます。そのため、同じ回線を使う場合にも、新しい住居で回線工事が必要になることがほとんどです。
引っ越しに伴う回線工事は無料の場合もありますが、残念ながらauひかりなど一部の光回線では有料になってしまいます。
もちろん、引っ越し手続きは解約ではないので、解約金(違約金)が発生することはありません。
② 現在使っている回線を解約し、引っ越し先では新しい回線を契約する
引っ越し先で引っ越し前に使っていたインターネット回線の継続利用ができない場合、新しい回線を契約する必要があります。
また、引っ越しを機に、新しいインターネット回線に契約を変えたいと思う場合もあるでしょう。
この場合、現在使っているインターネット回線を解約し、新しい回線を契約することになります。 注意したいのは、解約時に発生する料金です。 特に、解約金(違約金)と工事費の残額には注意してください。
2年縛りや5年縛りなど、契約期間に縛りがあるインターネット回線の場合、契約期間中に解約すると解約金(違約金)が発生します。
固定回線の場合、9500円が相場ですが、中には3万円近い違約金が発生する回線もあります。 また、固定回線の利用を始めるためには回線工事が必要なのですが、初期費用として工事費が発生する回線は少なくありません。
工事費の支払い方法として分割払いを選んでいる場合、解約時に残額を全て支払わなければいけなくなります。 解約手続き自体は簡単ですが、解約するタイミングによっては想定以上にお金がかかる点には十分に注意してください。
また、プロバイダのメールを利用している場合、解約するとそのメールアドレスは当然使えなくなってしまいます。 この点も注意が必要です。
解約時には違約金や工事費の残額など金銭的負担が発生することがありますが、実は新しい光回線に変更するお得なことが多いです。
その理由はいくつかありますが、まず基本料金が下がる可能性があるということ。特にフレッツ光など昔からある光回線から、光コラボと言われる比較的最近始まった光回線に切り替えると、基本料金は安くなります。
また、フレッツ光にはない最近の光回線特有の仕組みとして、スマホ割と呼ばれる割引があります。これは、光回線と提携している携帯電話会社の携帯電話を使うことで、毎月500円から3000円程度、携帯電話料金が割引になるものです。その分、毎月支払う通信費は安くなりますね。
さらに、現在光回線の多くは販促キャンペーンとしてキャッシュバックの付与を行っています。相場で2万円から4万円程度のキャッシュバックが貰えますので、違約金に1万円払ったとしても、トータルではお得になります。
このように、長年同じ光回線を使っている方は、引っ越しを機に新しい光回線に変更すると、トータルで支払う利用料金が安くなる可能性があるので、検討する価値は大きいです。
また、フレッツ光から光コラボに契約を変えたい場合、解約から新規契約ではなく「転用」という形で変更する方法があります。
転用するとキャッシュバック額が減額になる可能性はありますが、違約金や工事費の支払いが発生しないため、トータルでは解約・新規契約よりもコストが小さくなることが多いです。 フレッツ光を使っていたが、引っ越し先では光コラボを使いたいという場合は、転用を検討するのもありです。
■ 引っ越し時のインターネットの手続き―モバイルWi-fiの場合
モバイルWi-fiは持ち運びが可能な端末を使ってインターネット接続を行うものです。 固定回線と違い、自宅での回線工事は不要で、端末さえあればインターネットに接続できるのが特徴です。 そのため、引っ越しをした場合でも電波さえ届いていれば、そのまま使用することができます。
引っ越し時の手続きは住所変更のみで大丈夫です。 引っ越し先でも同じ回線を使い続けたい場合は、固定回線よりもモバイルWi-fiの方がずっと楽です。
モバイルWi-fiを解約して引っ越し先で固定回線を使いたい場合、縛り期間のある契約プランだと違約金が発生します。 回線工事は不要なので、固定回線と違って工事費の残額の支払いはありませんが、その代わりに端末の購入代金の支払いが発生することはあります。
その他の解約・新規契約のメリットとデメリットは固定回線の場合と同じです。 同じインターネット回線を使い続けるにせよ、新しい回線に変更するにせよ、引っ越し先でスムーズにインターネットの利用を再開するためには、可能な限り素早い手続きが不可欠です。
特に、回線工事が必要になる場合、契約からインターネットの開通まで数週間から1ヶ月程度かかります。 モタモタしているとインターネットが利用できない期間が発生し、困ってしまうことにもなりかねません。 引っ越しが決まったらすぐに動くようにしましょう。