ひかり電話はFaxが使えない!?使うためにはどうすればいいの?
光回線を導入して、電話も「ひかり電話」に変更しようと考えている人から、「在宅勤務でFAXを使う必要がある。FAXも使えるのか?」という質問をときどき受けます。ひかり電話が従来の電話とどう違うのか知らないと、不安に感じる人もいると思いますので、少し解説しましょう。
●ひかり電話でもFAXは使える
結論を先に言うと、ひかり電話でも、FAXは何の問題もなく使えます。従来の電話は、細い銅線を使った電話専用の回線で音声をやりとりする仕組み。これに対して「ひかり電話」というのは、光ファイバーを使ってインターネット回線に接続し、インターネットを通して音声を伝達する仕組みです。
こういった電話のことを総称して「IP電話」と言います。「インターネットプロトコル」に基づいて音声をやりとりする電話、という意味です。WEBでメールを送受信するのとまったく同じ仕組みで私たちの声をやりとりしているわけです。
仕組みは全然違いますが、やれることは従来の電話とほとんど変わりません。つながらない番号がいくつかありますが、通常の利用で不便を感じることはないでしょう。
当然、特別なFAXも必要ありません。それまで使っていた機器のモジュラーケーブルの一端を、光回線のルーターに接続するだけです。ルーターには、電話用のモジュラージャックがついています。
使用できるFAXはアナログ回線用の「G3」というアナログ規格のものしか使えませんが、家庭用のFAXはほとんどこのタイプですから心配はいらないでしょう。ISDNで使っていた「G4」というデジタル規格のFAXは使えませんが、この規格は現在、ほとんど使われていないので気にすることもないでしょう。。
●1回線で2つの番号を使える
ひかり電話のありがたいところは、1回線で2つの電話番号が使えることです。2回線の契約は必要ありません。追加オプションですから、月額100円~400円程度の料金が余計にかかりますが、これを契約しておくと、電話とFAXを別々の番号にすることができます。
個人的な利用であれば不要でしょうが、自宅で仕事をしている人などは、番号をふたつ契約しておくと、電話をしながらFAXも送受信できるので大変に便利です。
ただ、番号をもうひとつオプションでつけられるサービスは、今のところフレッツ光と、auひかりのみ。2Gbpsの速度を誇るNURO光は、1契約あたり1番号だけが付与されるシステムなので、電話とFAXを別の番号にするには向いていません。
●黒電話も使える
余談ですが、昔ながらの黒電話も光回線で使えるようです。電話器には、「ピッ、ポッ」という音色で番号を識別するプッシュ回線と、昔の黒電話のように「カタカタカタ」というダイヤルパルスで番号を識別する機種がありますが、光回線のルーターには、それらの信号を自動的に識別する機能が入っているのです。
古い電話機がないので試したことはありませんが、電話機のケーブルを変換ジャックでモジュラー対応にすれば、簡単にできるでしょう。ひかり電話で黒電話を使うのも、意外におしゃれかもしれません。
電電公社時代に使われていた黒電話(600型)ならばまだ入手できるでしょうし、日本の電話機の名器と呼ばれる「4号電話機」という古いタイプを使ったら、相当におしゃれだと思います。機器が入手できたら試してみたいですね。