モデムとルーター?!ネット接続のための周辺機器解説2
家庭のパソコンでインターネットに接続する機器に、モデムとルーターがあります。光回線の普及でモデムが話題になることは減りましたが、ルーターは常に話題になります。
ただ、モデムとルーターの違いがわからない人もいるようですので、ふたつの機器の違いについて、あらためて説明してみましょう。
●モデムはアナログ回線用機器
モデム(modem」というのは、アナログ回線でデジタル信号を扱うときに使う、デジタル信号とアナログ信号の変換装置のことです。
情報を送信するとき、信号を通信網に流せるかたちに変調する装置(modulator=変調装置)と、送られてきた信号を受信側で元の形式に戻す装置(demodulator=復調器)のふたつを組み合わせた機器です。modulatorとdemodulatorの最初のほうの文字を組み合わせて「modem」、日本語では「変復調装置」と呼ばれています。
パソコンで扱う信号はデジタル、電話回線に流す信号はアナログだったので、通信網がアナログの電話回線しかなかったころに、ネットにパソコンを接続するためには、モデムが必要でした。20年以上、ネットをやっている人にとっては、おなじみでしょう。
今ではADSLで使われているくらいでしょうか。ADSLはアナログの電話回線を使いますから、専用のモデムが必要になるのです。光回線はデジタル信号をそのまま流しますから、当然、モデムは使いません。
●ルーターは何をする?
モデムと混同されやすい機器にONU(光回線終端装置)がありますが、ルーターも混同されやすい機器です。というのも、モデムとルーターを一体化した機器が増えたからです。でも、ルーターの役目はモデムとはまったく違います。
ルーターは、一言で言えば、パソコンやスマホなどの機器をインターネットに接続するための装置です。インターネットはその名が示すとおり、ネット=網ですから、目的の場所に接続するためのルートはたくさんあります。それらのルートの中から、最適なものを選んでルート(道)をつける機器だから「ルーター」なのです。
このルーター、プライベートアドレスをグローバルIPアドレスに変換する大切な役目(こちらを参照 http://no1-internet.com/column/g068/)を担っているほか、接続されたパソコンに自動的にプライベートIPアドレスを割り当てるDHCPサーバ機能を内蔵しているため、複数のパソコンをつなぐことが可能。モデム経由で直接パソコンを接続すると1台しか接続できませんが、ルーターを使えば、複数台のパソコンを同時にインターネット接続することも可能になります。交通整理を自動的に行ってくれるのです。また、IPアドレスの変換をするため、セキュリティ上も有利になります。
別の言い方をすると、プライベートなネットワークであるLANと、世界的な通信網であるインターネットを繋ぐ役目を担っているのがルーターです。ルーターは、ブロードバンドネットワークを使うときの必需品と言ってもいいでしょう。ルーターとモデムが一体化した機器を使っていると、あまりモデムを意識することはなくなりますが、このふたつは別物と考えてください。
なお、ルーターには有線と無線のふたつがありますが、パソコンとルーターの間をケーブルでつなぐか無線でつなぐかの違いがあるだけです。