モバイル回線ってなんのこと?初心者でもわかる!
「モバイル回線」とは、回線が固定されていない回線のこと。要は無線回線のことです。通信機器(PCやスマホなどの携帯)に固定回線(ケーブル)を接続しなくていいので、どこに移動しても(制限はありますが)通信ができる。「モバイル」と呼ばれる所以です。
■無線通信にも種類はある
固定(有線)回線に光やADSLなどいくつかの種類があるのと同様、固定回線にもいくつか種類があります。
CDMA(Code Division Multiple Access)やW-CDMA、HSPA (High Speed Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)などの名前を携帯電話会社のサイトなどで見たことがあると思います。近距離用のWiMAX(ワイマックス)を携帯電話向けに拡張したモバイルWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)も、近年、利用エリアを広げています。
みな通信規格のことですが、これらが無線回線の種類となります。ラジオにFMやAM、テレビに地デジと衛星回線があるのと似たようなものと考えてください。
■3G、4Gは規格ではなく世代
W-CDMAやLTEという規格の名称の他に、「3G」「4G」という言葉もあります。「4Gは速い」とか「5Gになると無線が光回線より速くなるかも」などという話を聞いたことがあるのではないかと思います。
通信の規格と一緒に説明されていることが多いので、何がなんだかわからなくなることもあります。一度整理しておきましょう。
「3G」「4G」「5G」といった用語は、通信規格ではなく、規格の「世代」(Generation)のことです。「第3世代移動通信システム」だから3G、「第4世代移動通信システム」だから4Gになる。世代が後ろになるほど、高速の通信が可能です。
NTTドコモのW-CDMA(サービス名=FOMA)は「3G」、ドコモとSoftBankが提供している「HSPA」という規格は「3.5G」に当たります。そして4G(3.9G)に当たるのが、ドコモ、SoftBank、auの3社が提供している「LTE」と、UQコミュニケーションズの「モバイルWiMAX」になります。各世代ごとに、通信規格があるんですね。
第4世代が素直に「4G」ではなく、「4G(3.9G)」と表記されるのは、今の「4G」が完全な第4世代になっていないからです。規格を決める団体が「4G」と言ってもいいというので、一般的には「4G」と呼ばれています。
■無線は中継局とつながっている
最後に整理しておくと、中継局とスマホなどの通信機器との間を無線でつないだ回線が、モバイル回線ということです。
スマホを屋外に持ち出して使うときは、携帯電話会社の中継局とスマホが直接データのやりとりをします。WiFiルーターを使うときは、中継局との電波のやりとりはWiFiルーターが行い、スマホやPCとWiFiルーターがWiFiという規格で通信します。
では、屋内で使うWiFiはどうなのか。これも無線通信には違いはありませんが、固定回線にWiFiルーターを接続した場合、無線でつながるのはスマホやPCとルーターの間だけ。モバイルには違いませんが、移動できるのは建物の中だけです。これをモバイルと呼んでいいのかどうかは、判断が分かれるところでしょう。