光回線の工事って一体どんな工事なの?
光回線を導入しようとすると、必ずついて回る「工事費」。 事業者や住宅事情によって異なりますが、新規に導入する場合、おおよそ、1万5千円~2万数千円前後の料金がかかります。
「工事」と聞くと、多くの人は、人間が地面を掘り返したり、コンクリートを打ったり、エアコンの室外機や室内機を取り付けたりする作業を思い浮かべてしまいますが、通信回線の場合は、あまり大がかりなことはしません。
光回線を使ってインターネット網にパソコンなどを接続する場合、家の外から光ケーブルを宅内に引き込み、光回線終端装置で光信号と電気信号を変換してルーターに接続します。細いケーブルを配線するだけなのに、必ず2万円前後のお金がかかるの? 初めての人では不安になるかもしれませんので、工事費について、大まかに解説しましょう。
■人が来るか、来ないか、それが問題
業者が行う光回線の「工事」というのは、どのようなものでしょうか。フレッツ光を例にとると、
内訳は
「基本工事費」
「交換機等工事費」
「屋内配線工事費」
「回線終端装置工事費」
の4つに大別されています。
これは、ほとんどの業者でほぼ一緒です。
新規に光回線を契約するときは、これらの工事料金がフルにかかりますが、前に住んでいた人が光回線を使っていたり、光回線を乗り換えたりする場合、料金が異なってきます。ほとんど追加費用が必要ないケースがあると思えば、新たに高額の工事料金が必要になるケースもあって、なかなかわかりにくい。ケースバイケースで、工事料金が安く済んだり高くなったりすることがあるのでややこしいのです。
ただ、確実に言えることがひとつあります。それは、工事をする人が家に来るか来ないか。 フレッツ光の工事費内訳だと、「屋内配線工事費」「回線終端装置工事費」があるかどうかですね。これらは契約者の家に工事を行う担当者が来て、配線を這わせたり、機器をつないだりする作業を行います。こうした、人が来て行う工事があると、工事費は大幅に増えるのです。
逆に言えば、人が来ないでも光回線を開通させることができれば、工事費は大幅に安くなるということです。新築の一戸建てに光回線を引くときはどうしようもありませんが、マンションやアパートの場合、通信事業者の「局内工事」だけで開通させられることもあるのです。それをまず、知っておきましょう。
■工事費2000円で済むケースもある
マンションやアパートの場合、すでに各部屋まで光回線が通っていたり、前に住んでいた人が光回線を利用していて、それを再利用できるケースもあります。このような場合、室外の光回線網から光ケーブルを引っ張ってくる工事が必要ないんですね。つまり、人が来て屋内配線工事をする必要がない。
NTTの光からau光に乗り換えるときなど、新たな工事費が発生するケースもありますが、同じ通信事業者の光回線を使う場合、基本的に「局内工事」だけで済むことが多いのです。これが可能だと、フレッツ光の場合で、18000円が7600円で済みます。業者によって異なりますが、工事費は、おおよそ1/2から1/3程度まで圧縮できるでしょう。
さらにお得なのが、光コンセントがついているケースです。光コンセントというのは、光回線接続用の専用コンセントで、新築のマンションなどに、急速に設置が進められています。通常、電話のモジュラージャックと一緒になっていたり、その近くに設置されていたりします。
光コンセントがついていれば、光回線を契約したあと、自分で回線終端装置やルーターを接続するだけでネットが利用できます。NTTのフレッツ光およびフレッツ光と同じ回線を利用する「光コラボレーション」の業者(ドコモ光、ソフトバンク光など)を利用する場合に限られますが、接続作業をすべて自分で行えば、工事費は2000円で済んでしまうのです。
■キャッシュバックキャンペーンの利用もあるが・・・
新規に光回線を契約したり、NTT系からau系に回線を乗り換えたりする場合、工事費が新たに発生することが多いようです。この場合は、どうしたらいいでしょうか?
ひとつの方法は「キャッシュバックキャンペーン」を利用することでしょう。これは、工事費の分を月々の料金から少しずつ割り引くサービスで、光コラボレーションが始まってからというもの、各社が「キャッシュバックキャンペーン」を積極的に行っています。
ただ、キャッシュバックキャンペーンの場合、業者によっては手続きが面倒なケースがあるようです。もし光ケーブルが部屋まで通じていたり、光コンセントが設置されていたりすれば、2000円~数千円で光回線を引くことが可能になります。これだけ安くなれば、面倒なキャッシュバックキャンペーンを利用しないという方法も有りでしょう。
販売店の人も、お客さん個人の家の状況を把握しているわけではありません。引っ越した家の回線事情を考えずに光回線を申し込んだり、乗り換えキャンペーンに安易に乗ったりすると、無駄な工事費を負担することになる可能性もあります。
まずは自分の家に光回線が来ているかどうか(光コンセントがついているかどうか)などを自分の目で見て、あるいは集合住宅であれば管理組合や管理会社などに確認したりして、実態を把握してから光回線に申し込むようにするといいでしょう。